今回ALFREDスタッフ佐藤まりこは日本を離れ、ロシア連邦カムチャッカ半島にてキングサーモンをターゲットとした海外釣行にのぞみました
今回の旅の舞台カムチャッカ半島は
北海道から北東方向に約1,500km、緯度にすると北海道より8°程北にあり、ロシア連邦北東部に位置する長さ約1200km 最大幅450kmの自然溢れる半島で、今回釣りをするのは半島の中程にあり西に向かって200km以上流れる川「イーチャリバー」
周辺に人工物はほとんどなく、手付かずの自然の中で大変濃い魚影に恵まれた絶好のフィールドだ
メインターゲットのキングサーモンをはじめ、ガリエツ(オショロコマ/ドリーバーデン)・ケタ(シロザケ)・ネルカ(ベニザケ)・ミキージャ(ニジマスの原種)・クンジャ(アメマス)・ガルブーシャ(カラフトマス)・キジュチ(ギンザケ)などシーズンにより様々な魚に出会うことのできる魚の楽園だ
今回の旅は北海道札幌市にあるWild Fishing Equipment様のキングサーモンツアーに参加する形でイーチャリバーのフィッシングロッジ
「ICHA RIVER LODGE」への宿泊とガイドなど全般の手配をお任せすることができた
ビザや航空券・通訳の手配、ロシア釣行に際してのタックルの相談や注意点などトータルしてサポートしてくれる
そして待ちに待った当日、成田空港から一路ICHA RIVER LODGEを目指しWild Fishing Equipment様、そしてご参加の皆様と出発ゲートをくぐった
日本から2時間ほどで乗り換えのウラジオストック空港に到着
ロシアらしいスーベニアを沢山見ることができる
そこから国内線の飛行機を乗り継ぎペトロパブロフスクの空港で飛行機を降りる
ここで通訳のマリアさんと合流し、ロッジ専属のドライバーにピックアップしてもらった
ペトロパブロフスク・カムチャツキーの空港
その先は陸路でイーチャリバーを目指すが、ペトロパブロフスクの空港から300kmのミリコヴォという村で一度ホテルに宿泊するスケジュールだ
道すがら、コリャークスカヤ山をのぞむ場所でカムチャッカの象徴ともいえる熊の像を見に立ち寄ってくれた
像には「ここからロシアがはじまる」と記されていた
なんだか壮大なセリフにドキドキした
ピロシキを買うのに途中立ち寄ったソコチ村
ピロシキを買ったのちナチキというところの温泉施設にも立ち寄ってくれた
その後ミリコヴォ村にある釣り人のためのホテルに到着
このホテルもICHA RIVER LODGEのオーナー ミハエル氏が営んでいる
カムチャッカに着いても、ロッジまでの道のりが長い為ミリコヴォのホテルは中継地点として釣り人が宿泊していく
少しの休憩をとり買い物がてらの散策に
ロシアの通貨はルーブルだ
買い物を済ませメンバーと夕食の席に着いた
この日はホテルに宿泊
明日からの釣行にワクワクしながら白夜の夜空は少しづつ更けていった
翌日
朝食を済ませロッジへと出発
ホテルからロッジまでは150kmの道のりとのこと
移動の車がオフロード仕様になった
そしてここから先は人や車がどんどん少なくなり
やがて脇道に入った頃には近隣鉱山の関係車両がわずかに走るくらいに変わってくる
道中沢山のクマを見た
自然公園内の鉱山採掘会社の関連施設
ここから先のゲートを開けてもらう
しばらく進むとある広場に重厚なトラックが停車していた
これからの悪路に備え、そのトラックへと乗り換えるのだ
もうここからはロッジに向かう車の跡しか無い道を進む
もともとここはもちろん道など無いところ
ロッジオーナーのミハエル氏はこの地を開拓し、この先の手付かずの大地に釣り人の為のロッジを作った
ICHA RIVER LODGEがなければ、この地でキングサーモンの釣りをするのは相当に難しいことになる
それを考えたらたどり着く前からロッジには本当に感謝したし特別な気分になった
途中車で川を渡りやがて川沿いの船着場にたどり着いた
船着場ではロッジのガイドたちが私たちの到着を待っていてくれた
挨拶を済ませるとガイドたちは手際よく昼食を作り振舞ってくれた
イーチャリバーでよく釣ることのできるガリエツ(ドリーバーデン)の入ったスープ・ウハーや、豚の脂身の塩漬けサーロやサラミ、パンなどが出された
程よくお腹もふくれた所で、早速チームはボートで釣りに出かけることに
それぞれのガイドのボートに分かれポイントへ向かう
私たちを乗せたチームが一番はじめに入ったポイントはある中洲だった
そこにはいくつか石が積み上げられたものがあり、ガイドによるとこの場所で大きなキングサーモンが釣れた目印なのだと教えてくれた
初日にしてキングサーモンの期待が高まる会話だった
竿を出し始めるとそれぞれドリーバーデンやニジマスが釣れ出した
美しいドリーバーデン
そして何度かポイント移動をして、とあるプールの深場でキングと思しき魚のアタリと出会う
それはALF SPOON24gでプールのエンドあたりをリフト&フォールさせている時だった
竿先に静かだけど重たいアタリを感じる
最初はそれほどパワーはない
しかしアワセを入れるとそれまで釣れていたドリーバーデンやニジマスとは桁違いの引きを見せた
キングサーモンだ!
キングは上流に登りながら川を左右に力強く動き出した
意識してもう一度強いアワセを入れるも、プールの中央にラインが走って数秒でラインが動かなくなった
プールの底に沈んだ流木の下に潜り込み、既にキングはその針から外れていた
あっという間の出来事だった
せっかくの本命を逃してしまった残念な気持ちも大きかったけれど、実際にキングをかけたことにより少し自信がつく
もともとALF SPOOON 65mm24gはキングサーモンの釣行を意識して作られた製品であり、Wild Fishing Equipment様もこの釣行の為にオリジナルカラーを考案してくれていたので
またかけられる
そう思ってプールにALF SPOON24gを沈めた
今回のキングの狙い方はボトム付近、鼻先でじっくりアピールさせていくこと
バイトのあったリフト&フォールやステディなどで比較的スローに攻めた
そしてカラーチェンジをいくつかしていると同じプールでまたあの強烈なバイトがあった
そのパワーから、この先にかかる魚がキングサーモンであることがしっかりと伝わる
慎重にやりとりを試みるが
またも流木にかかりキングサーモンはあえなくフックアウト
せっかくのキングだったのにあっけなくて悲しかった
キングサーモンの釣りは甘く無い・・・
思い知らされることになった
それからその日はポイントチェンジをいくつかしながらドリーバーデンとニジマスの釣果でタイムアップとなる
くやしい気持ちやら様々な思いをぐるぐるとめぐらせながらICHA RIVER LODGEへと向かった
手慣れた様子でガイドたちがボートを係留させ私たちゲストはICHA RIVER LODGEへと進んだ
ICHA RIVER LODGE
5日間お世話になるこのロッジは、シャワーやロシアならではのバーニャ(サウナ)、食堂、綺麗なトイレに談話スペースやヨガルーム、ウェーダーの乾燥室にシアタールームまで完備されている清潔なロッジだった
本来ならこの場所で釣りをするには完全なサバイバルをしなくてはならないはずが、このロッジのおかげで釣り人は快適な滞在ができて日中は思い切り釣りを楽しむことができる
本当にありがたい場所だ
移動と釣行で疲れた身体をバーニャ(サウナ)で休め、スタッフが作ってくれる美味しいロシア料理でICHA RIVER LODGE初日の夜を終えた
原住民のデザインをした笛
キングサーモンの釣果を願ってみんなで演奏した夜の事は忘れられない
そして明くる日の釣りも、またイーチャの美しいドリーバーデンやニジマス
サクラマスなどが釣り上げられ私たちを楽しませてくれた
ドリーバーデンは群れていることが多く沢山釣れた
ルアーのカラーリングは赤・オレンジ・ピンクなどのものを特に使った
イーチャのガイドはランチの時間が近づいてくると、釣れたドリーバーデンをキープして捌いてくれる
そしてそのドリーバーデンが毎回美味しいアウトドア料理となって食卓に並んだ
クセが無く本当に美味しい
ゲストが飽きないように調理方法を変えながらフィールドで手早く用意してくれる
外で食べるランチは毎日の楽しみとなった
目当てのキングはというと
またあるプールの反転流の付近についていたキングをかけるも
魚が走る方向を変えた際におきた川の流れとラインの流れズレで緩んだ隙にフックアウトした
今回の場合はフッキング不足が大きな要因でもあるのだがキングサーモンの釣りはかけてからも難しい
そして2日目の夕まずめ、ついにWild Fishing Equipmentの奥田氏がフライでキングをかける
キングはもの凄いパワーでフライロッドを曲げていた
そのファイトに見ているこちらもハラハラした
しかし掛けてからのやりとりを熟知している奥田氏はその後しっかりとキングをネットインさせた
チーム初のキングサーモン
見事だった
まずフライでキングをかけることから既に技術のいることなので
その姿を見てわたしもまた竿を振ることができた
そしてもうその日の釣りも終わろうとしている時、私の竿にまた念願のキングが掛かった
今回のアタリはこれまでに感じたキングの引きより更にパワーがあった
しっかりフックセットしたことを確認しつつドラグを締める
ドラグを目一杯効かせてもラインはジリジリと出たり巻いたりを繰り返していた
ロッドのパワー、そして粘り
リールのブレーキの効き具合などに目を向ける
そしてキングが一番パワーを出した瞬間アンバサダー6500から煙が上がった
それと同時に焦げ臭い匂いも立った
この出来事でリールがもってくれるか気がきではなかった
「耐えてくれ!」
焦りと不安が出た
でもそんな中、フレッシュウォーターでこんな風にリールから煙が出るような釣りはなかなかできないだろうと思った
なによりキングサーモンとファイトしている!
そしたら怖さの中にも楽しさが入り混じってきてなんとも言えない気分になった
バラしてはいけないという気持ちと、今自分はキングサーモンと戦っているんだという喜びでアドレナリン全開になっていた
そして竿の角度に気をつけながらゆっくりと少しづつラインを巻いていく
フルドラグでもラインは出て行くので一瞬の隙の巻けるタイミングにできる限り巻く
凄いトルクでラインを出されるので、腰が引けたら出されっぱなしになることが想像できた
絶対に獲る
ロッドエンドを身体に押し当てロッドとラインと身体が一体化しているかのように全てのバランスを一致させながらこちらにテンションをかけていく
力強いキングの引きを味わいながら、その後ガイドは私の竿に掛かる真っ赤な巨体をランディングしてくれた
キングサーモンキャッチの瞬間だった
ヒットルアーはALF SPOON24g Wild Fishing Equipmentオリジナルカラー(チャートリュース)
これまで数回のヒットをふいにしていた中キャッチした人生初のキングサーモン
この夢の魚を釣り上げた喜びは私の釣り人生の中でとても大きなものだった
それからチームはそれぞれに健闘
Wild Fishing Equipmentオリジナルカラー(ピンク×イエロー)でも他のゲストがキングサーモンを釣り上げてくれた
私も2匹目のキングを追加
ヒットルアーはWOOD BAIT(エンドウアートクラフト)×ALF SPOON キングサーモンスペシャル35g
クロスキャストでドリフトさせて、じっくり探っていってやっと出た一尾
嬉しかった
大人になってもこんなにドキドキすることがあるんだと感動した
その後も沢山のガリエツやミキージャ・シーマに癒されながら私たちは全釣行を終えた
トラウトアングラーにとって夢のキングサーモン
そのキングサーモンを追いかけている時間は本当に最高のひとときでした
海外にきたからと言ってキングサーモンが簡単に沢山釣れるという訳では全くなく
あたえられたチャンスをしっかり掴む為、キャストの正確さや掛けてからのやりとりなど思っている以上に難しく自分のレベルを見せつけられる大変な釣りだったと思う
でもそれが最高に楽しい!
そんな中実際にキングサーモンを釣り上げた時はもちろん、日本でワクワクしながら準備をしていた時間や
日常では味わえない冒険のような道のり
カムチャッカの大自然は全てがスペシャルでした!
ぜひみなさんもこの素晴らしい冒険にチャレンジしてみてくださいね!
そしてキングサーモン釣行の際はALF SPOON24gや今後発売予定の35gキングサーモンスペシャルを旅の相棒として是非連れて行ってください!
カムチャッカICHA RIVER LODGEへの旅は
素晴らしいアテンドをしてくれるWild Fishing Equipment様へ!
お問い合わせはこちら
Wild Fishing Equipment
http://wildfishingequipment.com/
タックルデータ
ROD :G-Loomis SAR1084C GL2 9ft HEAVY MODERATE ACTION ベイトロッド
REEL: Ambassadeur 6500
SHIMANO 18 CALCUTTA CONQUEST 400
LINE : Nylon 30lb 150m 〜 200m
LURE: ALF SPOON 24g Wild Fishing Equipment Original Color
ALF SPOON × WOOD BAIT(エンドウアートクラフト) ワカサギ キングサーモンスペシャル 35g (プロトタイプ)
あとがき
今回の釣行は基本的に流れのしっかりした川だったがALF SPOON24gはストレスなく使うことができた
流れの具合から30g台を使う方も多かったと思うが、沈下速度よりも浮き上がらずキングの目の前でしっかり泳いでいることが重要になるため
浮き上がりにくくしっかりとその働きをしてくれたALF SPOON24gは今回の釣行でも安心して投げ続けることができた
テストで使用していた35gは、この流れの中で更にしっかりと狙いのレンジをキープしていてアピール度も高い為
今後のキング釣行の手を増やすためにも生産に入りたいと思う
そしてこの釣行ではキングサーモンを釣り上げるミッションを達成するだけで無く、沢山のルアーテストをすることもできた
このような海外での貴重な釣行で、ICHA RIVER LODGEのスタッフのケアは本当にありがたかった
1日の釣行を終え疲れて帰ってくると、スタッフは毎日趣向をこらした食事で私たちゲストをもてなしてくれた
食事のあとにはガイドやオーナーと交流することもでき、私たち日本のアングラーを歓迎してくれたことが伝わった
また釣行時のガイドの対応も非常に丁寧で、ホスピタリティーの行き届いたロッジであることがうかがえた
初めて訪れる秘境の地で、リラックスしながら楽しく釣りができたのもこのロッジやスタッフのおかげといえる
そして一緒に旅を楽しんだチームの皆様、通訳のマリア、なによりロッジとしっかりとした信頼関係にありイーチャでの釣りを指南してくれる Wild Fishing Equipment 奥田氏
お世話になった全ての皆に感謝したい
mariko